【考察】劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEのネタバレと感想

サイコパス

 

今日は劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEを見てきたので、あらすじとか感想を書いていこうと思います

 

映画のあらすじ

 

まず狡噛が外務省に戻って特殊任務に就いているところからスタート、任務はストロンスカヤ博士&ストロンスカヤ文書の確保ですが計画は失敗してストロンスカヤ博士は襲撃してきたピースブレイカーに殺害されます。

 

しかし文書についてはストロンスカヤ博士がすでに雑賀先生に宛てた本人受け取り郵便に隠しており、朱・狡噛をはじめする外務省・厚労省のメンバーが出島の受け取り施設に向かいます。

 

ですがそこには文書は送られてきておらず情報を聞きつけたピースブレイカーに襲撃され、厚生省&外務省のメンバーはなんとか凌ぎますがこの際雑賀先生が死亡してしまいます。

 

そこからピースブレイカー部隊にスパイとしてもぐりこんでいたイグなトフ兄のおかげでピースブレイカーのアジトが熊本阿蘇ににあることを突き止め厚生省は襲撃を行います。この際イグなトフ兄が投降しここでストロンスカヤ文書はイグなトフ兄がすでに回収して脳内に隠していたことが明かされます。

 

しかしここで外務省局長が砺波にハッキングされ、局長は死亡してしまいピースブレイカーの指導者であるジェネラルは日本の最北端の北方列島に独立国樹立を宣言します。ここで外務省局長を死なせたこと、ピースブレイカー部隊創設の責任などをシビラに追及された篤史(灼の父親)は自殺します。

 

その後シヴィラはジェネラルと交渉し彼を認め、朱を特使として派遣しストロンスカヤ文書を彼らに渡すように指示します。これに納得がいかない朱と狡噛は厚生省+フレデリカ須藤は特使として訪れるふりをしてジェネラルが作った独立国(ピースブレイカー)を壊滅させる計画を立てます。

 

そして、朱はまず特使として一人でジェネラルのもとを訪れますが、ここでジェネラルの正体は医療用AIを改良したシヴィラと同類のAIであることが判明します。(シヴィラがジェネラルを対話可能な賢い人物と評価したのは同じAIであるため)

 

ここで朱が囮になっている間に狡噛・フレデリカ須郷が極秘裏に潜入し厚生省メンバーがピースブレイカーの犯罪係数偽装システムをハッキングすることで正常な犯罪係数を測定可能にすることでドミネーターが使用可能になり、ドミネーターによってピースブレイカー部隊は壊滅します。(この際の生き残りが3期の襲撃犯のジジイとババアです)

 

このジェネラルというAIのよる国家統治を否定してシヴィラに一泡吹かせた朱ですが、世論は法律を廃止しシヴィラによる統治を望む流れは変わりませんでした。

 

これに対する最後の反抗として朱は法律の廃止のストップをかけるため、自身の本部長就任式で大衆の眼前で壬生局長を銃殺します。これによって法律の廃止議論はストップが掛かりますが朱は隔離施設に収監され、狡噛がいつか必ず助けると決意を固めてFINです。

 

3期の答え合わせみたいな感じですが3期で朱が隔離施設に入っている&局長の外見が変わっている理由は朱が大衆の目の前で禾生局長を殺害したためでした。

 

感想

 

やはり常守と咬噛がメインなのが良かったです。面白かったというのもありますが、映画1つでめちゃくちゃキレイに纏まっていて名作だなと思いました。3期で意味不明だったなぜ常守朱は人を殺したのか、篤史が拳銃自殺した理由などがちゃんと補完されていたのはスッキリしました、(若干今更感がありますが…)

 

ただ話の大本として法律の廃止を阻止するために朱は局長殺したわけですが、厚労省以外が法律の廃止を進める意味が分かりませんでした。ていうか法律は1期で犯罪係数が上がらない槙島をどうやって裁く的な話してた時に昔の刑法引っ張り出すしかないみたいな話をしていたので、そもそももう廃止になってるのかと思っていたのでちょっと設定の矛盾みたいなものを感じました。

 

しかも1期からずっと毎度毎度色相を誤魔化してドミネーターを無効化する手段で溢れてるのに政府や一般市民は法を無くそうとしてるという設定がイマイチピンとこないです。まあその辺はシヴィラが情報統制しているとかで説明はつきますが、そもそもの話社会問題をわざわざテーマにするため話を壮大にしすぎですよね。

 

シヴィラ(AI)の起こす社会問題、みたいな壮大な話じゃなくてシヴィラという舞台装置を使った刑事物を続ければよかったんじゃなかなと思います。この辺り正直なところ攻殻機動隊の冲方丁さんが絡み始めてその気配が濃くなった気がしていて、サイコパスが2期3期で大コケしたのはこの人とPのせいだと思っています。

 

あと日本に戻ってきた狡噛さんが久々にどみねーで活躍するんだな!! 狡噛さんのひさしぶりのドミネーター認証キターーー!! からのすぐドミネーター落として普通の銃になるという。。。もうドミネーターがチート過ぎて毎回犯罪係数偽装しか敵の手段がなくなっているなあという感じがしました。まあこれは一期からそうなんですがマンネリ感ありますよね

 

あと気になったのは戦闘シーンが微妙だった点です。組み手とかが教材ビデオみたいなスロー感でモーションキャプチャーとかそういう本物の動きを落とし込んだみたいなのを売りにしてるとありましたが、なんか見た目的にはモッサリしててイマイチ映えてなかったので狡噛VS槙島とかこれまでの映画の戦闘シーンの作り方のままでよかったのでは…と思いました。

 

あとSS2で死んだと思われていた猿渡が実は生きてたのには須郷も少しは救われてて良かったですね。一方出島で雑賀先生が死んで悲しかったです。

 

考察

 

ストロンスカヤ博士が雑賀先生が出島で鏡を受け取るようにした理由

 

ストロンスカヤ博士は篤史と連絡取っていて、襲われる連絡は貰っていた→サイガに偽メール →イグナトフ兄にスカヤ文書を渡す →送り先がサイガなのがPCから割れる (イグナトフ兄が密偵であることは伏せたいからそれらしい何かの理由が必要) →ピースブレイカーを出島に誘き寄せて始末したい

 

雑賀先生はこの2つ条件を満たすことのできる囮として利用された という感じかなと思います。まあ3期でサイコメトラー路線をする上で雑賀先生のプロファイリングが邪魔という大人の事情もあったと思いますが、雑賀先生からしたら牢屋から突然引っ張り出されて銃撃戦に巻き込まれて死亡とかとんだ迷惑ですよね…

 

慎導篤史(灼の父親)が拳銃自殺した理由

 

これは映画だけだと少し情報が足りていませんが3期と合わせると、まず前提として慎導篤史は息子の灼が幼少期の頃にシヴィラから免罪体質認定されており、それ以降は灼を守る(脳みそ化されない)ために厚生省の本部長としてだけでなく、ビフロストのインスペクターとしても動いてきたという前提があります。

 

ピースブレイカーもその手札の一つだったが、暴走したことで今回映画みたいな事態になりシビュラの追求を避けられない形になった。また、ストロンスカヤ文書も公安局に渡したことでビフロストのインスペクター権限も無くなり切り捨てられる立場になった。つまり息子のために蝙蝠みたいなことをしていた結果どっちに対しても不利益をもたらしてしまいどちらからも切り捨てられることになってしまったわけです。

 

このどちらの後ろ盾が無くなった中で自分の命を代償にシヴィラに灼達を保護してもらう&朱が今後灼達のために動ける状況を作る(自分のポストを空ける)ため、シビュラの意に沿う形で責任を取って自決したって感じだと思います。

 

→朱の灼に対する『全て君のためにやった事な気がする』というセリフにつながる

 

最後に朱が泣いた理由

 

朱が収監された部屋って雑賀先生が使ってた部屋だからじゃないかなと、あと狡噛が泣くのは全部終わった後だ、みたいな事言ってたからそれにかけてるんだと思います

 

FIの狡噛のすまないの意味

 

FIの最後で朱が施設から出てきて迎えに来た狡噛が「すまない」→朱「遅いですよ」の理由もこの映画で明らかになっていました。原因が狡噛と朱の痴話喧嘩で、この映画の中で朱は狡噛が日本に戻ってきていて外務省で働いていたことを知るわけですが、この際に朱から「行動課ってなんなんですか?(なんで厚生省じゃなくてそっち行ったんですか?怒)」の不満に対して素直に謝罪せず行動課の活動目的をペラペラ喋って電話を切られるという国語のテストなら0点のルルーシュ=アスペルージ的な回答をしていて、FIの最後の「すまない」はこの場面での本来いうべきだった「(勝手に日本に帰ってきて)すまない」と「(素直に謝罪できなくて)すまない」と言えなくてすまないというダブルミーニングになっています

 

しかもこれについて雑賀先生に朱ちゃんに謝っとけって言われて電話したはずなのに「俺は自分のしたことに一応責任負ってるから」って言い訳をしているのが不器用な狡噛らしくてある意味いい描写でした。

 

常守朱の犯罪係数はなぜ上がらないのか?

 

この映画の最後で朱は禾生局長を射殺しましたが、その際に霜月が朱のサイコパスを計測しますが、100以下でクリアな色相のままでした。

 

このことからして朱って結局免罪体質なんだっけ?と気になったのですが、調べた感じ小説の記述によると朱は免罪体質ではないみたいです

 

 

この辺りがよくわかっていなかったのですが、恐らく灼や槙島みたいに犯罪係数0が計測されるのが免罪体質で、SS2では免罪体質以外にも色相が超濁りにくい人種もいて軍とかに配属されてる人はそのタイプだと言及されていたので朱は後者の単なるメンタルお化けに該当するタイプなのでしょう。

 

終わり

 

今回の劇場版観たあとに改めて3期を観直すとリアタイで見ていたときに、はは?????となっていた部分が結構しっくり来ました。恐らくこれがPが戦略なんでしょうけどもう3期の失敗でコンテンツが焼野原なんですよね…

 

今回のPROVIDENCEの映画自体はとても面白かったのですが、結局これって3期のサイコメトラー路線につながるんだよなあ…と考えると気が重くなります。まあこの映画とFIで朱と狡噛の物語は終わりってことでいいでしょう。

 

思えば3期から出てきたサイコメトラーとコングレスマンは完全に失敗だったなあと。結局このシリーズってシヴィラがー 秩序がー ドミネーターがー と言ってますが、結局は朱と狡噛のイチャコラアニメであって、悟空とベジータが一生最前線にいるドラゴンボールと同じように朱と狡噛が活躍してればもっと続けられたのになぁって感じです。

 

この映画自体はとても面白かったですが、3期のメインキャラ一新のせいでコアファンは離れたせいなのか興行収入も微妙そう(実際自分が公開2日目に都内の映画館に行ったときは1列1人しかいませんでした。。。)ですし、サイコパスのコンテンツ展開はもうこれで終わりかなと思います。まあそもそもサイコパスは1期+劇場版でやりたいことはほぼやり切っていたコンテンツではあると思うので、今回の映画で朱と狡噛のその後が補完されてよかったな、という感想です。では~

 

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