【ネタバレ】コードギアス「復活のルルーシュ」の感想(評価/レビュー)とシャムナのギアスについて考察

映画

 

コードギアス「復活のルルーシュ」の感想(評価/レビュー)

 

 

 

コードギアス「復活のルルーシュ」見てきました!面白いと評判だったので、ハードル高めで観に行ったわけですが、メチャクチャ面白かったです。

 

見る前はパチマネーのためにやったんだろうけど、さすがにr2の最後を越えるのは無理じゃね?と思っていましたが、見てみるとそんなことは全然なく超面白かったです。リバイバルブームに乗った蛇足かなと思ったものの見た後ならこれがルルーシュの物語のラストなんだなと受け入れることができました。

 

やっぱりルルーシュ(の精神)が復活したところで、めっちゃテンション上がりましたし、ルルーシュ出るだけで面白くなるのはズルいなーと思います。全体的にこれまでのコードギアスのお約束を踏襲しつつ、ルルーシュ・C.C.エンドに向かうストーリーでした。

 

これまで敵同士だったカレンとスザク、コーネリアやオレンジ・アーニャが共闘していたり、本編で敵同士だったキャラが仲直りして一緒に新たな敵に挑むという燃えるオールスター展開でした。作戦自体には参加していなかったものジノやシュナイゼルのその後も少しだけですが、描写されていてまさにギアスファン必見の映画でした!

 

あとネットで散々叩かれてた扇は日本国の首相を辞めて、ルルーシュが復活した後にR2の終盤を裏切ったことをルルーシュに直接謝罪するシーンもあったので、ネットの扇死ねの風潮も収まるでしょう。個人的にはルルーシュに止められるのを分かってて、首もとにチャカ突きつける辺りで若干イラッとしましたが・・・。まあ良くも悪くも善人すぎて空回りがちなのが谷口監督の思う扇のイメージ像ってことなのでしょう。

 

 

「復活のルルーシュ」のあらすじとTV版との違い

 

 

 

↑の記事に主な相違点はまとめていますが、TV版と違っているのはシャーリーがロロに殺されずに生きているくらいですね。ルルーシュはてっきり中盤くらいで復活するのかと思いきや本編始まって5分で出てきてました。

 

ただルルーシュがR2の終盤でシャルルとマリアンヌを殺す際にCの世界のシステムをギアスで壊してしまったため、Cの世界が不安定になっており、シャルルからコードを継承して不老不死になりスザクに刺されたあと、肉体は復活してても精神は復活しておらず、あうあうあーになっているのをCCが必死に介護しています。

 

CCがルルーシュと一緒にいたときはニートみたいでしたが、いざルルーシュがダメになるとちゃんと自分で料理を作っていたり、甲斐甲斐しく世話していて母性がやばかったです。これはマオが惚れるのもしゃーない・・・。

 

大まかな映画のあらすじとしては、「スザクとナナリーが査察先のジルクスタン王国付近で奇襲にあって捕まる」→「カレンと咲世子・ロイド博士がスザクたちを助けるためにジルクスタン王国に潜入」→「Cの遺跡を探すために滞在していたCCとたまたま遭遇しルルーシュが生きていることを知る」→「Cの遺跡&スザクが捕まっている監獄に侵入」→「敵に見つかりピンチになる」→「土壇場でルルーシュが完全復活し皆を助ける」→「潜入していた他のメンバーと合流して敵(ジルクスタン王国)に奇襲をかける」→「シャムナのギアスによって皆ピンチに陥るもなんとか頑張って倒す」→「大団円&ルルーシュCCは二人で旅に出る」という感じです。

 

個人的に好きだったのが監獄での戦闘ですね。地下のCの遺跡から復活して、絶対遵守のギアスで死ね!という1期2期からのお決まりの展開からの、ギアスで敵の作戦室を掌握し、そこからノリノリでキーボードを叩く姿と、周りを包囲されて圧倒的な戦力差がある中から、お得意の挑発で敵の司令官を引っ張りだして、ピンポイントで仕留める、作戦が上手くいってドヤ顔のルルーシュ。これが見たかったんですよ!ホントに!これだけで観に行ってよかったなとおもいました!

 

 

 

終盤にシャムナのギアスによって、本編ルルーシュが多用していたお得意の敵にギアスを仕込んで混乱を起こす撹乱作戦が破られたのは少し衝撃的でしたが、そこで全くの予想外の事態に慌てふためいて顔に手を当てて表情を歪めるところとか、諦めかけてたところをCCに咤激励されるところとか、まさにこれぞ皆が好きになったコードギアスそのものって感じでした!

 

 

他にもオレンジを思い出す作戦ファイナルのハッタリもルルーシュらしくてよかったです。改めてこの作品はルルーシュが本当に魅力的だったんだなと確認。

 

それにしても、あれだけ綺麗に終わった作品の続編出して割と無難な感じに着地させるだけでもホント谷口吾郎監督は凄い人だと思います。さすがにガンダムseedを徹底分析して作っただけあって、視聴者が何を求めているのかホントに良く分かっていますね。

 

鉄血のオルフェンズとかいうゴミを作った東大卒のPとカタルシスを理解していない脚本家は、谷口監督の爪の垢を煎じて飲んで欲しいところですね。世の中には自分の作りたいものを作ってたまたまヒットしたという監督は結構いてますが、狙って視聴者が満足できるエンターテイメントとして面白い作品を作るという技量でならば、今日本のアニメ監督の中で谷口監督が一番高いと思います。

 

 

シャムナのギアスの謎と考察

 

少し分かりにくかったのがシャムナのギアスですね。シャムナのギアスは死ぬとその記憶を持ったまま過去に戻る能力です。つまりシュタゲの岡部がやってたタイムリープができるわけですね。これによって何度もやり直して、スザクの足元に地雷を置き、監獄でも獄長を予め牢屋のなかでスタンバイさせることが出来たわけですね。

 

そうなると最初のスザクが負けたシーンもピンポイントで地雷を置いている時点で1回はやり直しているのだと思います。また砂漠で奇襲していたり煙幕を張っている辺り、加えて2,3回やり直しているのかもしれません。

 

というわけで本編は何回かスザクに負けて、何度かやり直した結果な訳でスザクが負けるのはしょうがないわけですが、視聴者から見れば瞬殺されているので、やはりスザクの印象はあんまりよくありませんよねー。

 

そして、シャムナのギアスは自分に干渉するタイプなので、ルルーシュもCCもやり直されていることには気付いていません。シャムナのギアスは死んだ六時間前にセーブポイントが上書きして作られるイメージです。なので「死んで戻ってすぐ死んで12時間前に戻るとかは無理」です。

 

最後のところの例だと、最初に風呂場に戻った時点で強制上書きセーブされてるので、どう頑張っても弟と風呂入ってた以前の時間にはタイムリープはできないということになります。

 

他にも監獄でシェスタールが死んだ報告を9時間前と敢えて具体的な時間が出ており、シャムナが死に戻りする素振りがないところも、これはシャムナが6時間以上前には戻れないということを表現しているのだと思います。

 

シェスタールの死を6時間以上経ってから聞いてしまったのはシャムナにとってはかなり痛手だったでしょうね、ただでさえコマが少ないのに軍事面におけるNo.3がいなくなったわけですし。

 

そしてシャムナの目的はナナリーを使ってCの世界に接続して、自分のギアスの6時間制限を取っ払うことだと思います。だってあのギアスは自動発動っぽいのであままだとシャムナは映画の最後でルルーシュに睡眠爆破されなくても、いずれは無間地獄なわけですし。

 

そしてシャムナのギアスは元々は単なる未来予知だったのが、Cの世界が崩壊して中途半端にコードを継承したために変化して、タイムリープ(死に戻り)という風になったみたいです。ある意味不死なわけですし、わからなくもないですね。CCとかが不死身なのはCの世界に肉体のバックアップがあるからで、Cの世界にあるバックアップの肉体が消えれば普通の人間と変わらなくなるみたいです。

 

Cの世界はルルーシュがギアスで神(人の顔みたいなのが二重螺旋構造なっていたタワー)をぶっ壊したのと、それで消えたシャルルとマリアンヌの残留思念(亡霊)みたいもののために、よーわからんことになってます。

 

ルルーシュが生きていたものの精神が復活しなかったのもCの世界が不安定だったからみたいで、青のギアスとか掘り下げるのかなと思いきやそれどころじゃなかったです。あと尺の都合上しょうがなかったのでしょうけど、ジルクスタン王国側のキャラももう少し堀り下げてほしかったですね。

 

 

最後のシャムナ戦の時系列と解説

 

最後のシャムナ戦が映像の流れから少し分かりにくいと思った人が多いと思いますが、時系列で整理するとそこまで複雑ではありません。

 

 

 

 

ルルーシュの考えた作戦をCCが実行しているのは、マオのような心を読むギアスを警戒してのことだと思われます。ルルーシュってもうコード持ちだから、CCみたいにギアス効かないんじゃね?って思いましたけど、シャムナのように完全なコード継承者ではないため、敵のギアスは効くのかもしれません。

 

ていうかルルーシュってコード持ちなのに、ギアス使えてるのもよく分かりませんね。まあCの世界が不安定だからか或いはコードはv.v.由来でギアスはC.C.由来なため、ハイブリッド化したからなのかもしれません。

 

個人的に最後のシャムナ戦の疑問に感じた点としては、シャムナのギアスを絞るための作戦がそんなに沢山あるのか?って点と策を何個も試す→失敗を繰り返している間耐えられてる味方の耐久力がおかしいところですね。

 

特に最後の世界線だと何個も作戦を叩き潰されてるわけで、特にニーナチームはメガネ型のブレイズルミナスでかなりの時間を凌いでいるのとか、さすがにちょっと都合よすぎるんじゃないかってのと、敵は沢山いるから少人数で奇襲しないと到底勝てないって設定だったのに、シャムナのギアスによって奇襲は潰されて、正面からやりあうことになって倒している&何個も作戦看破されて作戦時間はドンドン伸びているわけです。

 

そして、その間味方はどんどん敵地で戦況不利になってるのにあんなにやすやすと神殿に入れて、スザク・カレンはともかくコーネリアや玉木やニーナが各々の相手倒してるって増援とかもそうですけど、どんだけ相手弱いんだよって話なので、その辺はギアス特有のガバな気がします。ですがノリの良さはすべてを解決ですねー。

 

まあジルクスタン王国はブレイズルミナス等の技術提供もないっぽければ軍備縮小されてるのかエース以外の機体がザク以下の火力だったので、最近技術を使ったルルーシュ側の少数精鋭部隊で、いざ奇襲したら速攻でバレてて正面突破になったけれども、案外なんとかなったという感じなのでしょうか?

 

 

ルルーシュが復活(生存)した理由

 

ルルーシュなんで生きてんのって話ですが、これはシャルルが消滅間際にルルにコードを押し付けていたからです。Cの世界を壊して両目ともギアスになった時点でルルーシュはCCと同じコード継承者であり、不老不死だったわけでスザクに刺されても普通に生きていたのです。

 

 

引用:コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道

 

 

ただ肉体は不死身のものの精神の方はCの世界が不安定だったためか戻らず、あうあうあー状態だったので、それを元に戻すためにCCが各地のCの遺跡を巡っていました。ゼロレクイエムの時ルルーシュがコードを継承しているかは分かっておらず、一応ルルーシュはちゃんと死ぬつもりだったけどCCがわがままで復活させたという事になっています。

 

ルルーシュがコードを継承して生存していたのは映画だからという話ではなく、「TV版にもルルーシュがコードを継承していて&ゼロレクイエム後生存している描写はあります」。例えばナナリーがルルーシュの手から記憶を読み取っているシーンはCCと同じ記憶の暴走ですし、R2の最後のCCが馬車の上に乗っている場面にある折り鶴もCCは折り鶴を折れませんし、ナナリーもいないのでルルーシュが生きていない限りあそこに折り鶴がある訳なく、あのシーンで馬を引いていたのはルルーシュということになんでしょうね。最初の精神崩壊してたルルーシュが被ってた帽子や服と似てますし。

 

 

 

 

にしてもスザクが復活したルルーシュに会った瞬間に「また嘘をついた!」殴りに掛かっていたのは笑いどころでしたね、R2の土の味といい10年ぶりくらいにこれぞギアスだなーっていう感じがしました。ただスザクはもう少し出番欲しかったですね。基本的にランスロットとグレンもシャムナのギアスのせいでメタられた描写しかなかったので、無双成分が少なかったのが少し残念でした。

 

外伝映画の亡国のアキトは話はともかく、ランスロットなどKMFのCG戦闘は良かったので、それに比べると復活のルルーシュの戦闘描写は少し物足りない感じはありました、まあ今回の映画の尺だと戦闘はあれくらいの配分が限界だったと思うので、しょうがない気がします。

 

そして、復活したルルーシュがあまりにも毒が抜けていて別人かなと思いましたが、やはりナナリーという重りとブリタニアへの復讐とかのためにゼロを演じていただけで、素はこんな感じの素直な青年なのかなと思います。

 

コーネリアのたいしても昔のゼロを演じていた頃なら、仮面を着けたままだっただろうに、今回は素直に仮面を取って素顔を見せて協力を仰ぐシーンもルルーシュは変わったなぁと思いました。コーネリアの協力を取り付けた瞬間、姉上からお前呼びになっていましたが・・・。今回コーネリアの扱いは謎に良かったですね。作画も気合入っていましたし、ルルーシュのはったりも散々してやられたからかすぐ理解していましたし。

 

ユフィの件が衝撃的すぎて、スザクはともかくコーネリアとの和解とかあり得ないと10年前は思ってましたけど、気持ちって風化するもんですね。あとコーネリアがルルーシュのギアスの被害者にクロヴィスとユフィだけでなく、ダールトンの名前を出していたのが、覚えていたんだってちょっと驚きました。

 

 

ルルーシュとナナリーを助けたのは誰?

 

最後の場面でCの世界でルルとナナリー助けたのは恐らくロロとルフィかなと思います。青がロロ、ピンクがユフィかなと。今回の映画だとみんな仲直りしてますし、Cの世界でルルーシュとナナリーですし、てっきりシャルルとマリアンヌが助けてくれるのかと思いきや、残留思念でCの世界を不安定にしてますし、攻撃してきますし、ホントどこまで行っても毒親っぷりは変わってませんでした。

 

そうなると既に作中で死んでてルルーシュとナナリーを助けてくれそうなのってもうユフィとロロくらいしかいないので、この二人が助けてくれたのだと思います。もしかしたら映画を見ているギアスファンのみんなという遊園地のヒーローショー的なメタ表現なのかもしれません。

 

そして最後はルルーシュがLLとしてCCと不老不死同士でシャムナの死と共に神殿から世界中に散らばったギアスの欠片を探す旅に出かけます。ここでシャーリーが死んでいたら少し後味が悪いですが、シャーリーが生きているので、この終わりでもいいかなと思えました。ルルーシュとCCの仕事はギアスの欠片によって目覚めたギアス使いを審判するみたいな感じですね。

 

 

終わり

 

今回の映画でルルーシュが復活したことに納得いってない人がいるみたいですが、僕はルルーシュ復活してよかったと思います。たくさん人を殺した贖罪がーだの言ったって他のキャラだって人殺しまくりですし、なんでルルーシュだけ集中砲火なんじゃボケって思いますね。ナナリーに関してもいつまでもルルーシュがいたら依存するだけなので、スザクと共に1人立ちすべきでしたしR2終盤での行き違いも解消されたのでいい分かれだったと思います。

 

そしてルルーシュの物語は今回で終わりですが、ギアスシリーズ今後も展開されるみたいなので、そのあたりは楽しみですが、やはり今回の映画でルルーシュの物語は終わった感じがするので寂しいですね。今回の映画から数百年後にルルーシュとCCがケンカして双方が違うギアス使いを立てての壮大な痴話ケンカとかはありそうですけど。。。

 

まあルルーシュはカレンやらスザクと違って皆で騒ぐところに帰るような人間でもないし、王の力を持つ前から結構孤独でしたし、映画見たらCCのところに行くしか初めから選択肢はないですよね。

 

テレビ版も綺麗に終わってましたけど、映画版見たあとは映画版が最後なんだなあと違和感なく感じましたし、R2ラストの荷馬車のシーンは今回の劇場版の話の後で馬を引いていたのはルルーシュでしょう。

 

まシリーズ化はルルーシュが、頭脳派・シスコン・もやし・似非クール・程よいイキり・からの顔芸とほぼ全て完備してて、良くも悪くもキャラが強烈すぎるので表から退場させて、シリーズ化は新しい主人公だとインパクト薄いのは否めないでしょうし、相当ハードルが高いでしょうね。

 

ギアスの元になったガンダムSEEDも結局キラ以上の人気なキャラを生み出せなかったので、SeedDestiny以降メディア展開はなくなってしまいましたし、そういう意味では、今回の映画を綺麗に仕上げた谷口監督の技量は素晴らしいですが、次回作のクオリティがギアスシリーズの命運を大きく左右するでしょうし、ここからが本当の正念場でもありますね。是非頑張ってほしいと思います。

 

 

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