【ネタバレあり】仮面ライダーアギト第42話「あかつき号」の感想・考察【あかつき号の真実】

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あかつき号事件の真実がこの話で明らかになる

 

42話はなぜ翔一が記憶を失ったのか、なぜアギトに変身出来るのか、テオス(黒服)がアギトの力を恐れ、アギトに覚醒するかもしれない超能力者を狙うのか、あかつき号で一体何があったのか、物語の根幹を成すそれらが全てつながり謎が明らかになるお話です。今風に言うとアギトのエピソード0になりますかね?

 

あらすじはアナザーアギトのキックを受けた衝撃であかつき号での出来事の全てを思い出した翔一が、圧倒的な強さを見せつける水のエルに挑むというもの。まああかつき号での出来事の振り返りが本編のメインです。

 

 

 

まず真魚ちゃんの手紙へのサイコメトリーで読み解かれるあかつき号の事件の原因となる古代での神と神との争い。劇中では「闇の力(神・テオス)」に対する「光の力」として同等であるかのように描かれてますが、裏設定では「光の力」の正体はテオス(黒服)の配下のエルロードの1人である「火のエル(プロメス)」とされてます。

 

 

 

 

一応光の力の正体が火を司る火のエルであることは、戦闘シーンの序盤で光の方が手をかざしてテオスに対して、ダグバのような発火能力を用いていることからもうかがえます。

 

 

 

結局劇中だと光VS闇みたいな感じで光の方が負けちゃいますが、上司と部下のケンカなので上司であるテオス(黒服)の方が勝つのは自然っちゃ自然です。水のエルもだけど紋章アタック強すぎ問題。。。ダークキバといい平成ライダーの紋章攻撃の強さは異常です笑

 

ちなみにこの顛末に至った理由も裏設定ですが、火のエルが大昔に起きたアンノウン(マラーク)と人類の大戦争の際に劣勢だった人間側に同情して味方したことに起因します。これがきっかけで彼は人間とセ〇クスし、結果人間と火のエルの間に子孫が誕生します。この人と神のハーフがネフェリム(=ギルス)です。

 

なので、芦原さんがギルスとして覚醒したのは先祖返りみたいなもので、純粋にアギトとして覚醒した翔一や木野さんとはちょっと違うんですよね。これがテオスがギルスを始めて見た際に「アギト、いやギルスか、珍しいな」といっていた意味です。

 

そして古代に起きた人間VSアンノウンの争いはギルスの登場により人間側が少し劣勢を盛り返したのですが、ギルスは本編でも描写されているよう不完全なアギトの力なので、暴走するものが多く地上の情勢はより混迷を極めました。

 

テオスは最初人間VSアンノウンの争いを傍観していましたが、これに激怒し、原因となった火のエルは本編で描写されているようにテオスに倒されてしまいます。しかし、彼は命が消える寸前に力を振り絞りアギトの因子をばら撒き、再び人類が繁栄したこの現代に飛び、主人公の沢木哲也(通称:津上翔一)に自身の持つ最後の力を与えアギトとして覚醒させます。

 

 

 

 

 

そして、これを察知したテオスが配下の水のエルを差し向けて最初のアギトである翔一を抹殺しようとした、というのがあかつき号事件の真相になります。

 

 

 

また水のエルがあかつき号を襲撃する直前のシーンで、翔一が姉の雪菜が謎の文字で書いた手紙を読んでもらうために、木野さんに手紙を渡したままであったことが、翔一が発見時に中身のない手紙を持っていた理由と木野さんの家に手紙の中身だけがあった理由としてきっちり回収されています。またこれで木野さんが翔一を知っていた理由と41話の最後で水のエルに遭遇する直前に木野さんが、翔一を「いい気なものだな」皮肉るセリフを発する場面にも繋がっています。

 

 

 

 

結局水のエルは覚醒したアギトを仕留めきれず思わぬ反撃でダメージを負い、関谷真澄の中でしばらく眠ることになりますが、あかつき号の乗客は結果として火のエルと翔一のとばっちりを食らいアギトとして覚醒する宿命を背負わされ、翔一はショックで記憶を失い本編が始まります。

 

 

 

こう考えるとあかつき号の乗客は図らずも翔一のせいでとんでもない目にあわされたわけで、本編で記憶喪失の彼に対してどこか冷たいのもまあ分からなくはないんですよね。。。

 

一応裏設定ではここからテオスは火のエルを倒した後、地上に大洪水をおこしてギルスや人間を一部を箱舟の乗せてから一掃します。これはOPのイコン画の真ん中の方に水と船の部分に描かれています。

 

 

ですが、結局人類の中から火のエルが死に際にバラまいたアギトの因子を完全に取り除くことはできず、テオスは1話で発見されたオーパーツに自身の情報を保管し、人類が再び反映するまで眠りにつきます。

 

そしてテオスは現代に復活しますが、基本的に人間は自分の子供なのでアギトの因子を持った人間であっても直接手を下すのは忍びないと考えて代わりに配下の天使(人間がいうところのアンノウン)がアギトの因子を持った人間の子孫の粛清を進めていきます。

 

本作でアンノウンが血のつながった親族を対象に狙うのはこれが理由ですね。一応テオスも自分でアギトの因子を持つ三浦智子を針金で絞殺したわけですが、自分の子供を自ら手にかけたという自責心からメンヘラを拗らせてしまい真魚ちゃんに見つかるまで電車で落ち込んでしまいます。。。

 

そして、アギトに覚醒しない人間(氷川さんなど)はテオスの愛すべき子供であるため、彼の配下であるアンノウンはアギトになる可能性のない人間を殺すことはできません。なので、氷川さんは水のエルに殺されませんでした。ちなみにこれを破ると三雲さんを衝動で殺してしまったスネークロードのように粛清されます。

 

こうしてみるとテオスが本編でやりたかったことは簡単に言ってしまうと「自信作のスープの鍋に部下が勝手にカレーのルーを混ぜたので、別の部下にルーだけをうまく掬ってなんとか元のスープに戻す作業をやらせている」という感じです笑。

 

またアギトの進化系が火をモチーフとしたバーニングフォームなのもアギトの因子が火のエル由来という裏設定に起因しているわけですね。あと記憶を取り戻したので理論上はトリニティフォームに変身可能なんですが、バーニングとシャイニングの方が強いので結局使われないという(笑)

 

元々は良い人だったあかつき号の乗客たち

 

今回のあかつき号の話は本編の壮大な設定が明らかになる回であると同時に、本編では超能力に覚醒したことでやや暴走していた亜紀さんや相良さん、現実逃避して廃人化していた篠原さえ子や芦原さんのお父さんなど散々に荒んでいたあかつき号の乗客の本来の人間性が垣間見える回でちょっと感動する回でもあります。

 

本編であっけなく殺された三浦智子や橘純などあまり見せ場なく退場したあかつき号関係の人達も再登場してこの人達もちゃんと船に乗っていたんだなと再確認、そしてイキっていた真島君、キレイな頃の白い服着ていた木野さん、愛妻家だった相良さん、そんな中でファブリーズさんはこの頃からヒス気味で元々ファブリーズ気質だったという…水のエルにとって格好の憑依先。。。

 

でも木野さんは、あかつき号の時はマトモに見えるけど実はこの時にはもう雪山にいるんだよな。。。本編だとあまりはっきりと明言はされていませんがこの時点では医者として人を救うだけだったけどアギトの力っていうとてつもない力を得た事でその力に呑まれてしまったんだなと推察できます。

 

「自分の人生を狭くするのは他人じゃない。本当は自分自身なんだよ。」 木野さんのこの台詞、外科医だからこそ重みがあるんだけど、後に自分に響いてくるのが皮肉ですね。

 

水のエル強すぎ問題

 

そして、場面は現在に戻り、翔一が戦線離脱してもなお戦闘を継続している3ライダー。この3人をまとめて相手にしてかつ圧倒している水のエル強すぎですよね。。。

 

一応この後に登場する地のエルと風のエルも強化態(肩に衣がついている状態)だとエクシードギルスとシャイニングフォームをタイマンで裁いているので、エルロードは基本アギトやギルスの強化形態より強いです。

 

ただ風のエルはG3X&エクシードギルス、地のエルはシャイ二ング(強化後)単体で倒されているので、それに対してエクシードギルス、アナザーアギト、G3X、バーニングフォームをまとめて相手にしていた水のエルは退場自体は早かったですが、テオスが一目置いていたようにやっぱりエルロードの中でも格上だったなあという印象です。

 

「誰も人の未来を奪うことは出来ない!」

 

 

そして、水のエルが、あかつき号の乗客に向けて「お前たちに未来はない!」という非情な運命を叩きつけたシーンの直後に、それに対する答えのように記憶を取り戻した翔一の「誰も人の未来を奪うことは出来ない!」という、火のエルの如き神への反逆を示すセリフが、これ程にもなくカッコよく感じます。

 

そして、決め台詞からのバーニングフォームへの変身とか熱くならないわけがない・・・!ここはアギトでも屈指の名シーンですね!普段はのほほんとしている翔一とのギャップがすごいというか締めるところはちゃんと締める主人公です。

 

いやーこの回ホントスゴイです…「あかつき号」というキーワードは本編の初めからずっと出ていた伏線ですが、これを42話かけて徐々に謎が解明していく形で引っ張りきっちり回収する脚本の素晴らしさに圧倒されます。

 

2クールならともかく4クールのドラマで1つの出来事を軸に様々な話の伏線を次々と回収していくという平成ライダーの脚本家の顔とも言える井上敏樹氏の全盛期の辣腕っぷりが如何なく発揮されている回です。

 

こんな感じでアギトは平成1期の中でもこのドラマのように練られたストーリーが見てて本当に楽しいですし、BDで何回も見てしまいます。もしかしたらクウガより好きかもしれません。

 

アギトのストーリーは大人になった今だから理解出来ますが、リアタイで見ていた頃は自分が子供だったというのもありますが情報が無さ過ぎて、さっぱり分からないまま観ていましたが大人になってから何度も見直しましたね~んで見直す度に色んな発見があります。

 

もちろん他のライダーも好きですが、ここまで濃密なストーリーであるのは後にも先にもアギトだけだと思います。さすがライダー最高平均視聴率のライダーシリーズなだけはあります!

 

では~

 

 

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